69
僕の言葉に、研究所内は大騒ぎになった。
隣の研究室に駆けこんで『シックス・ナイン』とそのデータが消えているのを確認する者。
上司に報告に走るヤツ。
そして。
「オリヱちゃんと、シックス・ナインの居所に心当たりがあるから、捜索には、オレも参加する!
……が、腰を打って動けねぇ。
悪いけど、武蔵川さんは、オレのロッカーから、着替えになるモノを探してくれないか?」
「それは、良いですけど、九谷先輩、腰が痛くて探せるんですか?」
コイツの前で、自分のロッカーが判らず探してたら、バレるかもしれない。
そう思って言えば、心配そうな顔の武蔵川に。
腰が痛むなら、九谷先輩は、研究所に詰めていてくださいと言われて、僕は首を振った。
……待ってられるか、莫迦!
僕は、出て行くために苦労しているのに!
ココロの中での叫びはもちろん口に出さず。
廊下で、平木博士の携帯が繋がりません! なんて怒鳴っている声を聞いて、僕は首をすくめた。
九谷の野郎、本当にオリヱの携帯の電源を切りやがった!
さすがに,オリヱに連絡を取られれば困る僕の正体は、バレなくて良かったけれど。
もう、二人は色々と始めているのかもしれなかった。
こんなところで、のんびりしているヒマは、ない!
僕は、ぼんやり突っ立っている武蔵川に怒鳴った。
「早く、靴と、ズボンと上着を出せ!
腰なんぞ、痛くないんだから、少し休めば、すぐ直る!」
「は、はいっ!」
あとでよくよく考えれば、僕の言い方は、変だったけれども。
このとき、武蔵川は、僕の迫力に負けたのか、九谷のロッカーから適当な服を持って来た。
研究員っていうのは、泊りがけの仕事も珍しくないようで。
服は一式すぐに揃ったけれども、肝心な靴が無い。
それでも、無いならいいやと、ぺたぺたと歩き出した裸足の僕を見かねて、武蔵川が言った。
隣の研究室に駆けこんで『シックス・ナイン』とそのデータが消えているのを確認する者。
上司に報告に走るヤツ。
そして。
「オリヱちゃんと、シックス・ナインの居所に心当たりがあるから、捜索には、オレも参加する!
……が、腰を打って動けねぇ。
悪いけど、武蔵川さんは、オレのロッカーから、着替えになるモノを探してくれないか?」
「それは、良いですけど、九谷先輩、腰が痛くて探せるんですか?」
コイツの前で、自分のロッカーが判らず探してたら、バレるかもしれない。
そう思って言えば、心配そうな顔の武蔵川に。
腰が痛むなら、九谷先輩は、研究所に詰めていてくださいと言われて、僕は首を振った。
……待ってられるか、莫迦!
僕は、出て行くために苦労しているのに!
ココロの中での叫びはもちろん口に出さず。
廊下で、平木博士の携帯が繋がりません! なんて怒鳴っている声を聞いて、僕は首をすくめた。
九谷の野郎、本当にオリヱの携帯の電源を切りやがった!
さすがに,オリヱに連絡を取られれば困る僕の正体は、バレなくて良かったけれど。
もう、二人は色々と始めているのかもしれなかった。
こんなところで、のんびりしているヒマは、ない!
僕は、ぼんやり突っ立っている武蔵川に怒鳴った。
「早く、靴と、ズボンと上着を出せ!
腰なんぞ、痛くないんだから、少し休めば、すぐ直る!」
「は、はいっ!」
あとでよくよく考えれば、僕の言い方は、変だったけれども。
このとき、武蔵川は、僕の迫力に負けたのか、九谷のロッカーから適当な服を持って来た。
研究員っていうのは、泊りがけの仕事も珍しくないようで。
服は一式すぐに揃ったけれども、肝心な靴が無い。
それでも、無いならいいやと、ぺたぺたと歩き出した裸足の僕を見かねて、武蔵川が言った。