69
思わず、こくり、と。
僕が飲んだ、生唾に気がついて。
オリヱが、可笑しそうに言った。
「なあに?
シックス・ナイン。
もしかして、何事も、優秀なあなたでも、これは緊張するの?」
「……初めてなんです、オリヱ。
あなたが満足するように……
その、上手くできるか心配で……」
情けないけれども、本当のことだから、仕方がない。
もしかしたら、震えているかもしれない僕の声に。
オリヱは、励ますようにほほ笑んだ。
「あなたが初めてだって、あたしは判ってるから大丈夫。
最初は、プログラム通りに動いていれば、それでいいから。
慣れてきたら、あたしが最も悦(よろこ)ぶように、考えて動いてね?」
「はい、オリヱ」
「それと……最初に言っておくけど。
あたし、ちょっと、Mっ気があるみたいなのよねぇ。
だから、あなたには、個人的な趣味で、少しSっぽいやり方を教えてあるわ。
途中で、あたしが『ダメ』とか『やめて』とか拒否の言葉を使うかもしれないけれど。
セックスの最中は、止めないでいいわよ。
本当にダメなトキは、強制終了するから。
それが来るまで、遠慮なくやって?」
「はい、オリヱ」
「……やあねぇ。
シックス・ナイン。
あなた、緊張しすぎてない?
そこらに転がってるフツーのアンドロイドみたいな、受け答えになってるわよ?
リラックス、リラックス。
あたしは、半分、遊びのつもりだし。
あなたは、気楽にしてくれれば。
あたしをキモチ良くさせる方法も。
あなたがキモチ良くなる方法も。
ちゃあんと教えてあげるから……」
僕が飲んだ、生唾に気がついて。
オリヱが、可笑しそうに言った。
「なあに?
シックス・ナイン。
もしかして、何事も、優秀なあなたでも、これは緊張するの?」
「……初めてなんです、オリヱ。
あなたが満足するように……
その、上手くできるか心配で……」
情けないけれども、本当のことだから、仕方がない。
もしかしたら、震えているかもしれない僕の声に。
オリヱは、励ますようにほほ笑んだ。
「あなたが初めてだって、あたしは判ってるから大丈夫。
最初は、プログラム通りに動いていれば、それでいいから。
慣れてきたら、あたしが最も悦(よろこ)ぶように、考えて動いてね?」
「はい、オリヱ」
「それと……最初に言っておくけど。
あたし、ちょっと、Mっ気があるみたいなのよねぇ。
だから、あなたには、個人的な趣味で、少しSっぽいやり方を教えてあるわ。
途中で、あたしが『ダメ』とか『やめて』とか拒否の言葉を使うかもしれないけれど。
セックスの最中は、止めないでいいわよ。
本当にダメなトキは、強制終了するから。
それが来るまで、遠慮なくやって?」
「はい、オリヱ」
「……やあねぇ。
シックス・ナイン。
あなた、緊張しすぎてない?
そこらに転がってるフツーのアンドロイドみたいな、受け答えになってるわよ?
リラックス、リラックス。
あたしは、半分、遊びのつもりだし。
あなたは、気楽にしてくれれば。
あたしをキモチ良くさせる方法も。
あなたがキモチ良くなる方法も。
ちゃあんと教えてあげるから……」