69
「生きてた!」
その、まるで生きていたコトが奇跡……というよりも。
生きていたら何かマズイのか? と不安になるような物言いに、僕はびっくりして、目を見開いた。
「な……何?」
「別に裸になったのは、エッチがしたいから、じゃ無いからね!
放っといたら、低体温症で死んじゃうから、体温を分けてたのよ!」
戸惑う僕に後ろを向いて、彼女は。
側に置いてあった自分の服をぱぱぱっとかき集め、一瞬で着てしまうと。
まだ、裸でベッドに寝転がっている僕に向かって、ぐい、と睨んだ。
「それで、あなた、誰よ!?
どうして、あんなところに寝ていたの!?
わたしが知る限り。
この一週間ほど入山届けを出して、この山を登ろうとしたパーティは居ないし。
ましてや、誰かが行方不明になっただの、遭難しただのって、聞いてないわ!」
彼女の言っているコトに、まぁ、そうだろうな、とは思ったけれども。
どう説明をすれば良く判らず、とりあえず頭を掻いた。
……本当のことを全部話して、良いんだっけ?
僕の、まだ全部完全にはコピーされていないマニュアルの中では。
敵対する勢力に捕まったときは、沈黙を守れ、と書かれてたのだけれども……
僕を雪の中から助けてくれた辺り。
どうしても『敵』とは認識できず、本当のことを素直に、話すコトにした。
「僕の名前は、R-2-D-69。
有機物質を主な原材料として出来た、最新型の軍事用アンドロイドだ。
この山の上にある研究所から、恋敵を追って、外に出て。
……足を滑らせたあげく、川に落っこちて流されて来た」
「……は?」
……なんで、このヒトは。
僕の的確、かつ、簡潔な説明に、変な顔をしてるんだろう?
怪訝な……って言うよりは。
何だか、笑いをこらえているようにも見える反応に、僕の方が、戸惑った。
「……だから……」
仕方がないので、もう一度、説明をしようとすれば、彼女はひらひらと僕に向かって手を振った。
その、まるで生きていたコトが奇跡……というよりも。
生きていたら何かマズイのか? と不安になるような物言いに、僕はびっくりして、目を見開いた。
「な……何?」
「別に裸になったのは、エッチがしたいから、じゃ無いからね!
放っといたら、低体温症で死んじゃうから、体温を分けてたのよ!」
戸惑う僕に後ろを向いて、彼女は。
側に置いてあった自分の服をぱぱぱっとかき集め、一瞬で着てしまうと。
まだ、裸でベッドに寝転がっている僕に向かって、ぐい、と睨んだ。
「それで、あなた、誰よ!?
どうして、あんなところに寝ていたの!?
わたしが知る限り。
この一週間ほど入山届けを出して、この山を登ろうとしたパーティは居ないし。
ましてや、誰かが行方不明になっただの、遭難しただのって、聞いてないわ!」
彼女の言っているコトに、まぁ、そうだろうな、とは思ったけれども。
どう説明をすれば良く判らず、とりあえず頭を掻いた。
……本当のことを全部話して、良いんだっけ?
僕の、まだ全部完全にはコピーされていないマニュアルの中では。
敵対する勢力に捕まったときは、沈黙を守れ、と書かれてたのだけれども……
僕を雪の中から助けてくれた辺り。
どうしても『敵』とは認識できず、本当のことを素直に、話すコトにした。
「僕の名前は、R-2-D-69。
有機物質を主な原材料として出来た、最新型の軍事用アンドロイドだ。
この山の上にある研究所から、恋敵を追って、外に出て。
……足を滑らせたあげく、川に落っこちて流されて来た」
「……は?」
……なんで、このヒトは。
僕の的確、かつ、簡潔な説明に、変な顔をしてるんだろう?
怪訝な……って言うよりは。
何だか、笑いをこらえているようにも見える反応に、僕の方が、戸惑った。
「……だから……」
仕方がないので、もう一度、説明をしようとすれば、彼女はひらひらと僕に向かって手を振った。