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「わたしは、真面目に聞いているのに!

 それに、ウソをつくなら。それらしく、つこうね?」


「へ……?」


 彼女の言葉に、僕は、首を傾げた。

 これ以上なく、真面目に、本当のことを言ったのに。

 どこらへんがウソ、なんだろう?


 いま一つワケがわからない僕に、彼女は、やれやれ、と肩をすくめた。


「あなたが、アンドロイド?

 まさかねぇ。

 わたしだって、最新鋭って言う、某自動車会社が開発してるロボットをテレビで見たけど。

 もっと小さい、二足歩行がやっとの玩具みたいだったわよ?

 小説や、漫画じゃあるまいし。

 そんな人間そっくりで。

 カラダもあったかいアンドロイドなんて、いるワケ無いじゃない」


「でも僕は、ここに居るし」


「しかも、この山の山頂付近には、一応。

 ヒトが出入りしている施設はあるけれど。

 国立の天文台よ?

 凄い辺ぴな場所で、ヒトの行き来は、ヘリコプターじゃないと無理な所なのに。

 アンドロイドを研究する施設なんて。

 しかも、軍事用ですって?

 国立、とか言ったって狭い天文台だし、すごい、無理ありすぎ」


「だから、天文台は、出入り口用のダミーで。

 実は、地下に、巨大な研究施設が……」


「研究所って特撮映画の秘密基地?

 百歩譲って、本当のことを言ってるとしても。

 そんな、スゴい、アンドロイドが。

 恋愛関係でゴタゴタした挙げ句、川に落ちた、なんて、間抜け過ぎ。

 本当にそんなヤツがいたら、大笑いだわ」


 ……しくしく……


 それ、目の前に居るし。

 笑いたけりゃ、笑え。

 でも、僕だって、真剣に動いて。

 その結果が、これなんだ!

 タタミ込むような彼女の言葉に、僕が何も言えずに、睨んでいると。

 ま、良いわ、と彼女は腰に手を当て、言った。


「で? わたしは、あなたを何て呼べば良いの?」


「Rー2……」


「そこから? 長すぎ、却下」


「じゃあ……シックス・ナイン」


「まだ長いわね」


 そう言って彼女は、目を細めた。





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