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「シックス・ナイン!

 今すぐ、やめなさい!!」


 半分悲鳴に近いオリヱの声に、僕は静かに首を振る。


「やだ。

 僕は、止めない……」


 僕は、オリヱの事を愛しているから。

 けれども。

 オリヱは、別なコトを思ったみたいだった。


「そうか、プログラミング……!」


 なんて、つぶやくと。

 僕のうなじに手を伸ばし、手探りで何かを触った。

 とたんに。

 僕のカラダは、がくん、と金縛りに掛かったように止まる。

 聴覚と視覚だけは、そのままに。

 自分の意志では瞬き一つ出来なくなった僕の腕から、オリヱはするり、と逃げだした。

 プログラムの一部が強制終了された、と思ったけれども、僕にはもはや、何もできなかった。

 正常終了していない、プログラムの残骸が誤作動し。

 猛り狂う欲望がまだじりじりと身を焼いてカラダが辛かった。

 そして、今まで、大好きなオリヱと一つになれる喜びに震えていたココロも。

 急に、行き場所を断ち切られて、悲しかった。

 そんな僕をオリヱを抱いていた形から基本姿勢の直立に戻し、乱れた服装を直すオリヱを見て、九谷はため息をついた。


「それで、オレのお姫さまは。

 自分で作ったアンドロイド相手に、一体、ナニをしていたのかな?」

 
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