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「一時停止って……なんだよっ……!

 オレが居なくなったら、このアンドロイドと、さっきの続きをヤろうってのか?

 ……させねぇよ」


「ダメ……ダメだって……真司……」


 ぎごちなかった僕とは、正反対の器用な九谷の手が改めて、オリヱの衣服を乱し……

 彼女は、気持ち良さそうな喘ぎ声をあげた……


 ……なんて。


 僕は、二人が睦みあう光景なんて、見たくなかった。

 愛を交わす声なんて聞きたくなんてなかった。

 けれども、僕は目を閉じることも、耳を塞ぐこともできないまま。

 その場に立ちつくしている他なく……

 僕は。

 オリヱの手で作られ、彼女に育てられたココロが軋む音を聞いていた。

 長い。

 長い。

 永遠かと思うほど、長くつづいた九谷のキスと、愛撫が終わるころには。

 とろん、とした目で、そのカラダの全てを預けたオリヱの耳元で、九谷は、ささやく。


「オリヱ……続きは、ホテルでやろうぜ?」


「う……ん……」


「今日は……クリスマスイヴだから……奮発したんだ。

 いつものラヴホじゃなく、星のついた、海の見える、トコ。

 今夜は、一晩、携帯の電源を切って、朝まで。

 オレの偽物なんぞに抱かれる気が起きなくなるほど……

 本物のオレが抱いてやるから……」


「ん、もう。真司のエッチ」


「どっちが、エッチ、なんだか。

 ……イヤか?」


「まさか」


 そう言ってほほ笑んだ、オリヱの表情を見て、僕のココロが壊れてゆく。



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