愛コトバ



あたしは今日、学校にきて最悪の気分になる。






「……はっ?」

「おはよ、ミヤビちゃん♪」



目の前にいるのは桐谷純。



なんでこいつがこんなとこにいるわけ?



そしてあたしを掴んで離さない。



「ごめん、離してくれない?」



にっこりした偽物スマイルを桐谷純にむける。



桐谷純は「なんで?」って笑顔で返してきた。



その笑顔には余裕があって、かなりむかついた。



早く離せって言ってんの。



「なんで?」なんてあたしに可愛く言っても無駄だっつーの。



もうなに?



ストーカーで訴えてやろうか。



苛々をおさえつつあたしは桐谷純と取り合う。



「あのさ、勝手に人の高校来といて待ち伏せしてなに?迷惑なんだけど…」



本当にやだ、こいつ。



もう偽りのあたしなんてどうでもいいや。



こういうくどいのにはビシッと言っておかなきゃいけないのよ。



「あたし、親友に頼まれて代わりに来ただけなの!正直男なんて嫌いだし、絡んでほしくないわけ…」



苛々がどんどん抑えられなくなってく自分。



「そんなの見てたらわかるよ?」



なのにこいつは、あたしの言葉をわかりきったように言い返す。



< 14 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop