愛コトバ
あたしは余裕で学校に来たにも関わらず、遅刻しそうになった。
これも全て桐谷純のせいだ。
あたしの苛々はおさまらない。
「ミヤビーっ!遅かったねー」
詩織が何も知らないかのように話しかけてくる。
そんな詩織をあたしはキッと睨みつける。
「えっ…とぉ〜」
詩織はあたしの心中を読み取り言葉をつまらせる。
なにを教えてくれたんだこいつは。
たぶん軽く八つ当たりだと思う。
でもケー番とメアドに関しては詩織のせいだ。
「なに教えてんの!?」
あたしが男が嫌いって知ってるくせに。
「純なんだけど…あたしの彼氏の友達で……ミヤビのこと話したらなんか興味わいたみたいで…」
詩織の目をジーッと見ながら話を聞く。
「それで合コン持ちかけて…そしたら純、惚れたみたいでさー」
じゃあなに?
すべて仕組まれてたってわけ?
本当になんなのよ…。
あたしがあんなに男で嫌な思いしてることも知ってるのに。
「ねぇ、ミヤビ。純は悪いやつじゃないよ?これをきっかけにトラウマなくそ?」
心配そうにあたしを見て言う詩織。
そんな詩織からあたしは目を伏せた。