愛コトバ

「なにこれっ…!」



普段のあたしのメールとはかけ離れてる。



まさに女の子って感じのメールだった。



絵文字や顔文字が程よく使われてて、本当に可愛い。



桐谷純の名前は、ご丁寧にも両端をハートがつけられて登録してあった。



“登録完了”ってメールがされた後に桐谷純から今日についてのメールが送られてた。



それに対してあたし、…いや梨紗ちゃんのメールは、“了解”って文字。



そうゆうことですか…。



意味がわかった、うん。



「はぁー…」



小さくため息をついてケータイを閉じて鞄にしまった。



桐谷純の方を見ると、目が合った。



にこって笑って、手をとられる。



「ちょっ…!離してよ…!」

「やーだねっ!せっかく来たんだし、楽しも?」



お金も払ったことだし…とあたしの手をグイグイと引っ張る。



「だからって…手繋ぐことないでしょ!?」



小さく抵抗するあたしに、こいつは力強く、でも痛くない程度に離さない。



なんなのこいつ?



振り離せない…。



なんで?



いつも無理矢理にも離すのに。



< 24 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop