愛コトバ
「なにこれっ…!」
普段のあたしのメールとはかけ離れてる。
まさに女の子って感じのメールだった。
絵文字や顔文字が程よく使われてて、本当に可愛い。
桐谷純の名前は、ご丁寧にも両端をハートがつけられて登録してあった。
“登録完了”ってメールがされた後に桐谷純から今日についてのメールが送られてた。
それに対してあたし、…いや梨紗ちゃんのメールは、“了解”って文字。
そうゆうことですか…。
意味がわかった、うん。
「はぁー…」
小さくため息をついてケータイを閉じて鞄にしまった。
桐谷純の方を見ると、目が合った。
にこって笑って、手をとられる。
「ちょっ…!離してよ…!」
「やーだねっ!せっかく来たんだし、楽しも?」
お金も払ったことだし…とあたしの手をグイグイと引っ張る。
「だからって…手繋ぐことないでしょ!?」
小さく抵抗するあたしに、こいつは力強く、でも痛くない程度に離さない。
なんなのこいつ?
振り離せない…。
なんで?
いつも無理矢理にも離すのに。