愛コトバ
「純くーん!一緒に歌おー♪」
明るい声があたしの隣にいる男を呼ぶ。
よっしゃ、ラッキー!
早くあっちいってよね。
心の中で梨紗ちゃんのところに、こいつが一刻も早くいくことを願う。
「俺、歌苦手だから優と歌いなよ!優はうまいからさぁ」
あたしはその言葉を聞いて絶望に浸る。
なんでいってくれないのよ。
梨紗ちゃん頑張ってこいつを説得してください。
「なんでよぉ。下手でもいーから歌おっ!ねぇ?」
そう言う梨紗ちゃんにいやだとでも言うような表情を浮かべてる。
「歌ってよ!あたし…歌声聞きたいしさっ」
自分の身を守るためにあたしは梨紗ちゃんと歌うのを進める。
歌ってよ、って言って。
本当のところはどうでもいいんだけど。
「わかった!歌うよ!」
そういってようやく歌うことが決まる。
単純なやつ…。