愛コトバ
しばらく歩いてついた場所。
「ねぇ、どこにプラネタリウムがあるの?」
プラネタリウムとは真逆の方向に来たと思えば、綺麗で高そうなマンション。
「いいから、はやく来なよ」
「一番綺麗なプラネタリウム」と言って、中に入っていく。
そんな美岬に少し不満をもちながらついてく。
一階の一番奥に行って、鍵を取りだし入っていく美岬。
「ちょっ…」
いつものあたしなら今すぐにでも帰る。
いや、もう来る前に嘘をついて帰ってる。
こんなにも自分がついていったのは……、何年ぶり?
それは相手が美岬だから?
「はやく入りなよ」
「……おじゃまします」
逆らえない瞳でまたあたしを捕えて逃がさない。
否定させない。
「ちょっとここの部屋で待ってて」
言われた部屋の中に入る。
その部屋はモノトーンでシンプルにまとめられていて。
大人の部屋というような雰囲気だった。
なにより、広い。
友達に「広いね」と言われるあたしの部屋の2倍…いや3倍はあるだろうか………。
マンションなのに。