あたしとあんたと本
「ちょうどよかった!」
「どうしたの?」
「あのね、これを渡すように頼まれていて」
手渡されたのは、一通の手紙だった。
「誰から?」
「それは、内緒!」
「??」
内緒?
何で内緒なんだろう…。
問いただしたいが、きっと教えてくれないだろうと思いあきらめた。
「じゃ、岩津さんあたしは帰るね」
「うん、バイバイ!」
「真央ちゃん、俺も帰る!」
「あんたは、せっかく岩津さんがいるんだから、残りなさい!」
「意味が分かんないんだけれど…」
「…わかってるでしょうが。とにかく、あたしは帰る!」
無理やり柊を残してあたしは、帰った。