あたしとあんたと本
一通の手紙
家に帰ってから、岩津さんからもらった手紙を読んだ。
それは、名無しの手紙だった。
ただこれだけしか書いていなかった。
─────────君が読んでいる本の作者はいつも側にいるよ──────────────────
あたしがいつも読んでいる本は、あれしかない。
推理小説の本。
その作者がいつもあたしの側にいる?
どういうこと??
さっぱり、分からなかった。
まさかイタズラとか?
可能性は否定出来ないよね…。
あれこれと考えていたとき、携帯の電話が鳴った。
「げっ」
電話をかけてきたのは、柊。
無視しようかな…。
でも、前無視したとき何回もかかってきたから、一応出よう。