あたしとあんたと本
「何で?」
「それは………。」
「理由が言えないと言うことは、関係ないっていうことだね」
「関係はある!」
「要件がそれなら、電話きるね。さようなら」
電話越しにごちゃごちゃ言っていたが、そんなの無視。
柊の声を聞くとドキドキしてしまう。
抑えている感情が溢れ出しそうで怖いんだよ…。
あいつは、岩津さんが好き。
それを分かっているのに、心がどうしても抑えきれない。
柊は、あの人にすごく似ているからついつい気になってしまう……。
数年前に会った、あの人に…。