あたしとあんたと本
「……。」
「あーあ、バレちゃった…」
「柊?」
「何?」
「柊があたしが毎日読んでいた本の作者なの?」
「そうだけど?だから、ずっと関係あるって言ってたじゃん」
「……。」
嬉しいことなのか残念なことなのか、分からなくてあたしはその場に座り込んだ。
「真央ちゃん、嬉しくないの?」
「微妙…」
「微妙って…まぁいっか…」
座っていたら後ろから抱きしめられた。
「中3のとき、図書館で俺のことずっと見てた女の子だよね?」
「なっ、何でそれを覚えてるの!?」
「あんなにじっと、見つめられていたら誰だって覚えてるよ」
「…恥ずかしい…」