あたしとあんたと本




「……。」



「あーあ、バレちゃった…」



「柊?」



「何?」



「柊があたしが毎日読んでいた本の作者なの?」



「そうだけど?だから、ずっと関係あるって言ってたじゃん」



「……。」



嬉しいことなのか残念なことなのか、分からなくてあたしはその場に座り込んだ。



「真央ちゃん、嬉しくないの?」



「微妙…」



「微妙って…まぁいっか…」



座っていたら後ろから抱きしめられた。



「中3のとき、図書館で俺のことずっと見てた女の子だよね?」



「なっ、何でそれを覚えてるの!?」



「あんなにじっと、見つめられていたら誰だって覚えてるよ」



「…恥ずかしい…」







< 23 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop