あたしとあんたと本
「可愛かったよ…」
耳元で囁かれて、思わずドキッとした。
「てかさ、この状態いつまで続ける気?」
「んー、ずっと?」
「……。」
ドスッ
鈍い音が図書館に響いた。
「調子こくな」
ひじで柊のお腹を殴り、なんとか逃げ出した。
立ち上がりうずくまる柊を見下ろした。
「痛って……将来有望な小説家を…」
「関係ない!」
柊も立ち上がり、あたしを見つめてこう言った。
「真央ちゃん、好きだよ」