あたしとあんたと本
「彼氏か…。」
あたしには、一生出来ないであろう存在。
恋はそこそこした、けれどあたしは告白とかはしない。
しないというより、出来ないのだ…。
「何々!?真央ちゃん、彼氏欲しいの??」
「……。」
あたしの隣にいる男にギロリと睨み付けた。
「またまたそうやって怖い顏して〜、綺麗な顏が台無しだよ!」
「黙れ」
「こわ〜い!」
ヘラヘラしている男の名前は、柊 雅功(ヒイラギ マサトシ)。
いつもこの図書室に来ては、あたしをおちょくる。
クラスが一緒で、名字がひとふで前後になり、話すようになった。
というか、新学期そうそうに話しかけられた。