あたしとあんたと本
柊は、岩津さんに会いに来てる事なんて最初っから分かっていた。
岩津さんは、図書委員の人。
放課後は、図書委員の人がここに残って本の貸し出しをしている。
ちなみにあたしも図書委員。
けれど、放課後に図書室に来る人なんてめったにいない。
だから、あたしはそれを良いことに先生に鍵を借りて毎日ここに来ている。
たまに、勝手に借りていっているけれどもう常連なので、先生には言われなくなった。
「今日は何読んでるの?」
「………。」
「真央ちゃーん!」
「………。」
「無視かよ…。」