誰よりも、君がすき。

「.....っぁ、いや」

「声、おさえて」


音楽室に響き渡る
荒い吐息と女の喘ぎ声。


私は反射的に
グランドピアノの影に
身を潜める。


ゆっくりと顔を出す。

....あ。

そこにいたのは
学年で美人だって有名な新川
えりなだった。

はだけた制服からは
真っ白で綺麗な肌が顔を
のぞかせていた。


喋ったことはないけど
しぐさや雰囲気から可愛らしい
印象を受けていた。


見てて恥ずかしくなるような
深くて絡み合うような、
そんなキスを繰り返す。


「けぇた...あ、たしもう
イきそう…」


「...ふぅ。やっぱやめた。」

「ぇえ…っ」

「お前、初めてなんだろ?
なんか、めんどくせー」

そう冷たく言い放った声は
信じたくないけど
間違いなく芹沢の声で。

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