誰よりも、君がすき。
「けぇた...ぁ」
「じゃ、戸締り頼むよ」
立ち上がって音楽室を
出ようとした芹沢の腕を力強く
掴んだ。
「あ…浅野さぁん…なんでぇ」
泣いたせいで化粧が落ち
ボロボロになった顔で私を
見つめる新川さん。
う゛…
「んだよ、盗み聞きかよ。
趣味わりぃ。」
「新川さんに謝ってよ」
「は?何で俺が?大体誘って
きたのはあいつだっつの」
「いいから謝って」
「もういいの!」さっきまで
泣いていた新川さんは急に立ち上がり
スタスタとこちらに向かってくる。