誰よりも、君がすき。
-パシッ-

と痛々しい音が
耳に響いた。

恐る恐る目を開けると
頬を抑えた芹沢がいた。

「...あんたって見た目だけ」

そういい残すと、緩んだ
ネクタイを締めなおし、新川
さんは音楽室を出て行った。

「ねえ、痛い?」

「当たり前だろ」

「自業自得。あんなこと
して楽しいの?私には分かんない」

うつむいて言葉を無くす
芹沢

その両耳に光るピアスを

見て私は思った。
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