誰よりも、君がすき。
擦れ違うココロ
「ごめん、先生と話しこん
じゃってて…」


靴箱で待ちくたびれていた
智子の前に両手を合わせた。

「大丈夫大丈夫。っ…
それより、なんかあった?」

智子の質問に身体がピクン、と
反応した。

「何も、ないよ。何で?」

「ううん、何も無いなら
いいんだけどさあ。でね、」

智子は急にぱあ、っと笑顔
になった。

それを見て安堵の息を洩らす。

「芹沢くんに、アドレス
聞かれちゃった。」

「え…」

「さっきね井原ちゃーんって
いいながら。もう可愛かったあ。
井原ちゃーんだよ?」

「そ、そうなんだ」


あんなとこ見ちゃったから

目の前で嬉しそうに携帯を
握り締める智子に素直に
喜んでるあげることなんてできないよ。

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