誰よりも、君がすき。

結城の閉じかけた目と
柔らかそうな唇。

“トクッ”と心臓が跳ねる。


キスしたい。

じゃなくて
キスしてみたい。


そう思った。


どんな感じなんだろう。
って


あくまでそう思ったから。


私は静かに目を閉じた。


フッ

と結城が息を吐く音が
聞こえて。


唇が軽く触れたとき

「やだっ」

私は結城を突き飛ばしていた。
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