誰よりも、君がすき。
私、今何しようとしてた?


こんなところで
何しようとしてたの?


そんなことより

結城と智子の顔が
頭に浮かぶ。


....ごめん、なさい。


「ふ…うぇ…」

「悪かった。もうしないから」


決まり悪そうに起き上がって
私に手を差し伸べる芹沢の手を
とることなく私は泣き続けていた。


「せっ…芹沢…うっ…くんは
初めては…ぐすっ…めんどくさいって
言ってた…ふっ…じゃん」


もうだっさいよ、私。

ところどころひゃっくり
も混じってなんていってるか
全然わかんないよ。


困った表情を浮かべる芹沢を

前に自分が恥ずかしくて。


「自分でもどうかしてた。」

「何でよぉ…うぇ…」


「俺も、わかんねーよ」



更に降り始めた雪の中。

学校の正門。


いつまでもなく私の隣に
芹沢は何も言わなかったけど
ずっといてくれたんだ。
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