誰よりも、君がすき。
「っ…危なかった」

急に腕を掴まれ物陰の
奥に連れて行かれたから
何されるのかな、って思ったら


背中を丸めた智子が正門を
抜けていくのが見えた。



そういうこと、か。



「なあ、俺今日は送ってく」

「…えぇ?いいよ。一人で
帰れるから。」


「なんか俺の気がすまねぇから」

「…智子か結城に見られたら
お互い困るじゃない。」


私を純粋に想ってくれる
結城を傷つけちゃいけない。


絶対に。


そうだけど…。と芹沢は
考え込んでしまった。


ていうかむしろ一人で帰りたい

って言いたかったけど
さすがに言えない。
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