誰よりも、君がすき。
傷つけたいわけじゃない。

責めたりしたいんじゃない。

でもやっぱり、あの日芹沢の
腕に抱かれた新川さんを見た日から
私の中にこの疑問が生まれていた
わけで。


「…そうじゃねえよ。
誰でも抱けるわけ、ねえじゃん」


「え?」


じゃあ新川さんも、
芹沢にとっては抱きたいって
思えるような存在だった
ってこと?


「新川のことは、元々
抱くつもりなんてなかったから。」


「どういうこと?」


「俺のこと好きだから、初めては
俺がいいって。泣きながらあいつ
に言われてさ…最初は俺だって
無理だっていってたけどあんまり
しつこいから、口でいっても
きかねーならいっそ嫌われて
しまおうかな、って」


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