誰よりも、君がすき。
「え…そうだったの」


確かにあの日新川さんは
芹沢に見た目だけだ、と言った。

芹沢としては結果オーライ
だったのかもしれない。

だけど。

「そんなの、芹沢くんが
かわいそう」

「…は?」


だって

本当は新川さんのことを
思って。

優しさで諦めようと
させたのに。

「新川さんは、芹沢くんの
こと、最低だって思ってるよ?」

「うん。それでいーじゃん」

「よくないっ。…よくないよ…」


「俺みたいなヤツ、好きでいて
も意味ねーもん」




その言葉はなんだか
自分に言われたような気がして。


急に胸が締め付けられる。


そんな悲しい顔、しないでよ

< 85 / 119 >

この作品をシェア

pagetop