Out-of-Eden―禁断の果実―
風船を片手にそんなことを思っていた。




恋人でもないのに、横で歩いてる。


おかしいけど、これは気を紛らわすための私の自己満足かもしれない。



柊斗さんがいいわけではなくて、私がクリスマスイブに一人なんて寂しいから「はい…」って返事したのかもしれない。



「柊斗さん…ごめんなさい」

「どうした」



柊斗さんがたまに見せる優しい瞳が辛い…。



せっかく誘ってもらったのに…。


イライラする。


自分の卑怯さにイライラした。



「一人が寂しいから柊斗さんの誘いに返事してしまって…」

「……」

「私は最低です」

「別にいい」



顔色を変えずに柊斗さんは言った。



「どんな理由でも構わない」




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