Out-of-Eden―禁断の果実―
お姉ちゃんは私のコートに降り積もっている雪を払いながら「何してるの?」と再び聞いてきた。



何をしているかなんて言えない。



恥ずかしすぎて言えない。



「ううん…ちょっとグローリーのネックレスを買ってただけ」

「そう…」



また?って顔をしてるのを私は見逃さなかった。



呆れられてるのはわかってる。



そんな顔をお姉ちゃんは消すように私に微笑む。



「林檎の方がよく似合うよ」

「…」




お姉ちゃんは優しいから、私に何も怒らない。



一度も私に怒ったことがないお姉ちゃんはきっと



溜めこんでる…。



「林檎…なんでお札なんか」

「これは…」



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