Out-of-Eden―禁断の果実―
どれだけ涙が零れ落ちたとしても…誰も助けてはくれないんです。



私が悲しんでることなんて他人は興味はないんです。



だから泣きながら街を歩いても人はチラと見て、見ぬふりをします…。



だから…無駄な涙は流したくはないんです。



「泣くほど…そんな彼氏が好きなのか…?」

「はい……好きです」

「なんでだ?」

「……初めて名前を呼んでくれたから…です」



柊斗さんがまた悲しそうな瞳で私を見降ろす。



その瞳は吸い込まれそうだ。



「それは……いや何でもない」

「そうですか」





< 256 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop