Out-of-Eden―禁断の果実―
「クリスマスだから林檎になんか買ってあげるよ」
そう言われて連れて来られたのは見覚えのある薄暗い倉庫。
溝の匂いがする帰りたくなるところ。
「連れてきました」
「オマエらはじゃあ見逃してやるよ」
そうサングラスをかけて偉い人が結んだ口を開く。
「じゃあ俺たちは殺されないんですね、コイツを差し出したたらって言いましたもんね」
恐れと緊張で目の焦点があってない。
「ユ…ユイ…どういうこと」
「本当に学習しない女だな」
「え」
「もう二度と会うことはないな」
「待ってユイ仲直りは…」
「お姉さんと続いてるにきまってるだろ」
でもユイとお姉ちゃんは消されたって…
「俺らは柊斗さんに消された。まあ隣の町にな」
わからない…。
私がまた跪いて殴られていることも…
血を流してることも…。
ユイが助けてくれないわけも全部わからない。