Out-of-Eden―禁断の果実―
4105室。香蜜 林檎 の名前が書いてあった。
ガラリと開くと茫然と何も感情もない顔の林檎の姿が見えた。
「林檎」
「誰」という目で俺をみる。
ついきのうまで微笑んで振り返ってくれたのに。
悲しみの気持ちを抑えて近づく。
「久しぶり」と。
また何の感情もない無の表情でこちらを不安そうに見つめた。
抱きしめたら変わるだろうか、思い出してくれるだろうか。
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