Out-of-Eden―禁断の果実―
【柊斗】



アイツは今日は塾は行かなかった。



なぜかと問うと遅かったからの理由。





帰り際に「その顔」と言ってたが、無理に決まってる。



自然にお前には出てしまうのかもしれねえ。





「柊斗~おかえり!!」

「ああ」

「あっ何それクッキ―?」

「ああ」

「さっそく…パク!」

「……」

「……マズイ」




クッキーは美味いとは言えないが、そんなことアイツに言えるわけもなく「美味い」と言った。



「柊斗…コレ食い物なの?」

「ああ…」

「俺が作った方が美味いと思うけど」



そう言う昴に蹴りを入れてソファーに座る。




「柊斗さ―林檎ちゃんに甘いね」

「あ?」

「正直な感想言っただけ、俺のなら食わないでしょ?」

「ああ」

「ふっ…ひどいね。柊斗」




アイツのしかいらない。





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