もう一度、ここから…【LOVEドロップス企画参加作品】
懐かしい中庭が目に入る。
お昼休みになると、健太と中庭を眺めながらたわいもない話をしていた。
健太を好きだと気付いた頃は隣で話せることがうれしくて、
でも、ドキドキして……。
昼休みの終わりを告げるチャイムが憎らしかった。
健太と付き合い始めてからもここでいろんな話をした。
話だけじゃなくて、何も話さなくても二人でいるだけで心地よい空間だった。
季節に合わせて変わる木の葉。
茶色く色づき始めた木の葉は一番幸せだったあの日を彷彿させる。
健太と思いがつながったのが一番うれしかったから……。
ダメだ。
ここは……
思い出がありすぎて涙腺が弱くなる。
本当に健太のことが大好きだったから……。