もう一度、ここから…【LOVEドロップス企画参加作品】
「……弟?」
「うん、悠ちゃんはわたしの弟。覚えてない?
10歳下の弟がいるって言ってたでしょ?」
「あー言ってたかも。それが三谷?」
「そう」
「マジで?」
頭を抱えた健太がわたしと悠ちゃんを交互に見る。
「健太も気付かないもんだね。杏のことを好きなくせに……」
その言葉で聡美を見ると、口を押えた。
「もしかして……」
「何も聞いてないって!」
慌てて手を振る聡美。
ってことは……。
「いや、何も……てか、オレ、聡美さんとちょっとうろついてくるから……
あ、みんなには先生の彼女って訂正しとく!」
「おい、三谷……」
健太が叫ぶのをムシして悠ちゃんと聡美は二人で校舎に入っていった。