【短編】⌘ヴァンパイアLove⌘
第三夜
記憶の海
白い光が漂う。
ここは、どこ?
『ココハ、貴女ノ記憶ガ閉ジコメラレタ空間』
記憶が閉じ込められる?
『ソウ。貴女ノ嫌ナ記憶ハ全テココニアルノヨ?』
私の、嫌な記憶?
そんなのあったけ?
思い出せない……。
『ジャア、開イテアゲル』
えっ……?
『モゥ一人ノ私ガ、開イテアゲルヨ』
そして、目の前は暗くなる。
何も、見えない……!
けど、すぐに明かりが見えて来た。
そして、私はそこに落ちて行く。
落ちる!!
私は硬く目をつぶる。
でも、痛みはどれだけ待っても襲ってこない。
あれ?
痛くない。
そんな事を思いながら、あたりをみる。
すると、そこは窓一つない大きな部屋だった。
ここ、どこ??
……知らないはずなのに……何故か、懐かしく感じる……。
どうして?
思い出した記憶にはこんな場所なかったのに……。
その時、扉が開いて誰かが入って来た。