【短編】⌘ヴァンパイアLove⌘


「舞華が、話すまで絶対にはなれないから……」


そこまで言われて気づいた。


抵抗しても、ムダという事に……。


だからは、この事を話すしかなくなった……。


「わかったよ……。話す、ね?」


ハッキリ言って、イヤ。
でも、このままでいるのも、イヤ。
なら、言うしかない……。
まだ、マシだもん……。


「早く、話して?」
「わかった……」


そして、私は全てを話した。


お母さんに嫌われてた事……。
お父さんにも、嫌われてた事……。
友達がいなかった事……。
イジメられてた事……。


"ずっと、死にたい"


って思って事……。


全てを話した。


怖くて、震えが止まらなかった。


でも、話し終わってからも隼人は私を抱き締めている。


「ねぇ? なんで? 嫌いにならなかったの……?」
「バカ? 嫌いになるわけないだろ……」
「そんなの、わかんない……」


そう……。
終わらなきゃ、わかんないんだ……。
全部、全部終わってからしか、気付かない……。


「これで、俺ら秘密共有者だな♪」


そう言って、なぜかあっさり帰っていった。

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