《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
それがなくなることを、
あたしは本能で恐れてる。




お兄ちゃんがあたしを
必要としなくなれば、
この世界であたしの居場所
なんてなくなるから。




お兄ちゃんがそばにいて
くれたから、あたしは
生きてこれたんだから――。





(もう……やめよう)




あの場所に行くのも、
珪と話すのも、
昔を懐かしむのも。




そして、こんなふうに
考えるのも。



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