《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
つまり――約束の日じゃ
ないけどお兄ちゃんに
会いたくて、勝手に家まで
来たんだ。




でもいるかどうかも、
歓迎されるかもわかんない
から、呼び鈴を押す勇気が
なかった――そんなとこだろう。




あたしは小さく息を
つくと、極力落ち着いた
声で彼女に言った。



……笑顔は、とても
作れなかったけど。




「……どうぞ。

今日は他の生徒さんの
授業日でもないんで、用が
なければいると思うんで」



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