《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけどできれば、これ
以上の波紋が広がらないことを。




……あたしはそれを、
願わずにはいられなかった。




あたしのせいで彼女が
傷つく姿は、見たくない。




(もう1回出かけよう……)




夕方まではまだもう少し
時間がある。




2階で過ごす二人の気配を
感じるのを恐れて、
あたしはバッグを掴むと
再び家を出た――…。





       ***



_
< 162 / 448 >

この作品をシェア

pagetop