《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「単純じゃ……ない……?」




思ってもなかった難しい
切り返しに、愛未は露骨に
首をひねる。




(どうして?

あたしが聞きたいのは、
好きか嫌いかよ。

そんなの複雑でもなんでも
ないじゃない……)




理解できない愛未に、
直杜はさらに続けて、




「大切だからこそ、
触れられないこともある。

だけどそれとは真逆に、
大切だからこそ壊したい。

そんな感情だって、また
真なりなんだ――…」



_
< 171 / 448 >

この作品をシェア

pagetop