《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
だけどそれはまぎれも
なく、川原で聞いたあの
声だった。
「………け、珪………?」
あたしの口からは、興奮の
あまり弱々しいかすれ声
しか出てこない。
だけど珪はそれだけでも
わかってくれたみたいで、
短い沈黙の後、いぶかりを
なくした声でこう言った。
『なんだ――紗耶かよ。
ずいぶん久しぶりじゃん』
「……………!!」
答える代わりに、また涙が
滝のようにあふれ出す。
_
なく、川原で聞いたあの
声だった。
「………け、珪………?」
あたしの口からは、興奮の
あまり弱々しいかすれ声
しか出てこない。
だけど珪はそれだけでも
わかってくれたみたいで、
短い沈黙の後、いぶかりを
なくした声でこう言った。
『なんだ――紗耶かよ。
ずいぶん久しぶりじゃん』
「……………!!」
答える代わりに、また涙が
滝のようにあふれ出す。
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