《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
『今、気づいたのか?

それとも……寂しくて
我慢できなくてかけてきた?』




電話の向こうで皮肉な
笑みを浮かべる姿が、目に
見えるようだった。




「何言ってんの……バカ。

今、気づいたんだよ……」




嗚咽混じりの声で精一杯の
強がりを言う。




できればいつものように
憎まれ口をたたき合い
ながら、普通に会話した
かったけど――でも、
それはムリそうだった。




『……ん? どうしたんだよ。

なんか声、おかしいけど……』



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