《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜

兄妹

       ***



「はぁ……とうとう
来ちまったか――…」




改札を出た珪は、無意識の
うちにそう声に出して
つぶやいていた。




背中に小さなデイバッグひとつ。


本当に着の身着のままで
列車に乗りたどり着いた、
久しぶりに見る風景――。




(こんな所まで来て
どうしようっていうん
だろーな、オレ……)




自分で自分に突っ込みを
入れつつ、珪は再び歩き出す。




数週間過ごしただけとは
いえ、まだ記憶は鮮明だ。



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