《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
       ***




「ここ、だな……」




狭い庭のある一軒家を
前に、珪は深いため息をつく。




表札には“萩森”の名前。




やはり田舎だけあって、
ここに来るまでには
たいして苦労はなかった。



問題は、ここにいるかどうかだ。




(さて、なんて言って
訪ねるか……?)




「――うちに何かご用ですか?」




思案する背中に突然声が
かかって、珪は肩を跳ね
上げて振り返る。



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