《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
珪より年上に見える、線の
細い利発そうな青年が
そこに立っていた。
手には書店のものらしい
袋をさげている。
「あ―――…」
彼が紗耶の兄だろうと、
すぐに察した。
けれどこんな遭遇は
想定してなかったので、
とっさにすぐ言葉が出ない。
「……紗耶さんに、会いに
来たんですけど……。
あ、オレ、クラスメートで――」
短い沈黙の後、珪は何とか
取り繕ってそう答えた。
自分の本当の立場を説明
するのもどうかと思い、
そこは偽ることにする。
_
細い利発そうな青年が
そこに立っていた。
手には書店のものらしい
袋をさげている。
「あ―――…」
彼が紗耶の兄だろうと、
すぐに察した。
けれどこんな遭遇は
想定してなかったので、
とっさにすぐ言葉が出ない。
「……紗耶さんに、会いに
来たんですけど……。
あ、オレ、クラスメートで――」
短い沈黙の後、珪は何とか
取り繕ってそう答えた。
自分の本当の立場を説明
するのもどうかと思い、
そこは偽ることにする。
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