《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「いえオレは……××市に
住んでます。

しかも、最近引っ越して
きたとこっつーか」




高校ともなれば、近隣の
いろんな地区から生徒が
集まるだろう。




そう踏んで、とっさに前回
自分が宿をとっていた市を
口にする。




ドキドキしながら反応を
見守ったが、直杜は納得が
いったように頷いて、




「あぁ、そうなんだ。

転校生なのに紗耶と仲よく
してくれてるんだね。

ありがとう」




「い、いや………」




くったくのない笑顔に、
珪は腰が引けるばかりだ。



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