《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
珪がポツリポツリとそう
話すと、直杜は『え?』と
目を丸くする。
「紗耶が今みたいに
まっすぐに育ったのは……
きっとお兄さんのおかげですよ」
お世辞なんかでなく
本心で、珪はそう思っていた。
直杜はさらに驚いた顔を
していたが、やがてふいに
その目を細めてクシャリと
笑うと――。
「――そうでもないよ。
実際は……紗耶を支えて
いるつもりで、僕の方が
紗耶に生かされてるんだ」
_
話すと、直杜は『え?』と
目を丸くする。
「紗耶が今みたいに
まっすぐに育ったのは……
きっとお兄さんのおかげですよ」
お世辞なんかでなく
本心で、珪はそう思っていた。
直杜はさらに驚いた顔を
していたが、やがてふいに
その目を細めてクシャリと
笑うと――。
「――そうでもないよ。
実際は……紗耶を支えて
いるつもりで、僕の方が
紗耶に生かされてるんだ」
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