《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
自分の町に帰って、もう
ここにはいないはずなのに。




その思いを胸の中で言う
のと同時に、珪があたしの
言葉尻を奪ってその先を続ける。




「お前に会いに、わざわざ
来たに決まってんだろ。

ったく……心配かけやがって」




「え―――――!?」




会いに来た?




珪が、あたしに。




(もしかして――あたしが
昨日、あんな電話したから!?)




他に理由なんて考えられない。




電話口で泣いて、珪に
心配をかけてしまったのは
わかってた。



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