《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「お兄ちゃんに、会った……!?」




あたしは異様なくらいに
張り詰めた声で珪に
詰め寄ってた。




その理由がわからない
珪は、ギョッとした顔で
あたしを見下ろし、




「あ、あぁ……?

けどお前、なかなか帰って
こないからさ。

もうこっちからバイト先
行ってみるって言って、
お前ん家は出て来たん
だけど……」




『なんかまずかったか?』
とでも言いたげな、不審
そうな珪の視線。




だけどあたしは、返事を
することができなかった。



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